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アラフォーのわたしと夫と猫2匹の暮らしに、男児が一人加わりました(2016年11月)。おいしいもの、猫、本、アートと子育て日記。


by umi
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N'S YARDを訪ねて。

今日は、旅のそもそもの目的であるN'S YARDを訪ねた。
那須塩原に先月プレオープンしたばかりの、奈良美智さんの個人美術館。

奈良美智さんの作品は国内外で人気だけれど、正直に言ってわたしにはその良さがさっぱりわからなかった。
ブサイクな女の子のキャラクターがなぜ、ただのキャラクターではなく「アート」として重宝されるのか、ずっと疑問に思っていた。普通のキャラクターとの、違いはどこにあるのか。

現代アートに携わる夫に聞いても「いや、すごいよ」と何も説明しない答えしか返って来ないし、今回の旅行は彼のために企画したようなもので、今日はただ、付き合いのような気持ちで訪れた。

高原の中に、要塞みたいな高めの灰色の壁が続くと思ったら、現れたのがこのサイン。

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敷地内は撮影一切禁止だそうで写真はないのだけれど、真新しい美術館が立っていた。
展示作品は、奈良美智さん本人の絵画や彫刻の他、奈良美智さんが所有するレコードジャケットや他のアーティストの絵画や写真など。

まだプレオープンで、平日なのもあって、人影はまばらだ。
天井から自然光も入るようになっていて、美しい建物だと思った。
奈良さんのコレクションはどれも趣味は悪くないけれど、特に惹かれる作品もなく、ふーんという感じで展示室を巡った。奈良さんの作品には、A4サイズのコピー用紙の裏紙にボールペンで描かれた落書きみたいなのがいくつかあって、夫によればこの1枚が2000万円ほどするそうだ。わたしにも描けそうなのにな。世の中不公平である。友達になって一枚描いてほしい。

いくつかの部屋は、白い壁にグレーの床の、よくある展示室だったのだけど、一つだけ、仄暗い通路の奥に石造り風の部屋があり、粗末な木の椅子がいくつか置かれている部屋があった。奥に一枚だけ、奈良美智さんの女の子の絵がかかっていた。多分、教会か聖堂をイメージしているのだと思う。この椅子に座って、しばらくこの女の子と向かい合ってほしいということなのかなと思ったが、ハム太がぐずりだしたので急いで部屋を出た。

ハム太が落ち着いてから、もう一度展示室を歩いてみた。
先ほどまでいた何組かのお客さんの姿も無くなっていたので、遠慮なくゆっくり眺めてみた。
聖堂の部屋で女の子を眺めていたら、シンプルなキャラクターの絵だと思っていたものが、実に複雑に塗り重ねて描かれていることに気がついた。構図は確かにシンプルだけど、この女の子の肌、血が通っているようである。生々しくはない。でも生きている人のように、血管の通り具合で青みのある部分、赤みのある部分、よくよく見れば見るほど繊細に塗られていて、キャラクターでありながら生命力の光みたいなものがある。多分それがただのキャラクターとの違いなのだろう。20年間、どうしてこれがアートなの?と思い続けていたことの答えが、やっと見えたのだった。やっぱりこの人、すごいんだ、と。

夕方の新幹線で、東京へ戻ってきた。
初めから、自分が楽しめる期待はしていない旅行だったけれど、1度も入れないかもと覚悟していた温泉も3回入れたし、ハム太も以外に喜んでいたし、瓢箪から駒が出るように奈良美智の良さがやっと少し理解できて、なかなか良い旅だった。


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by umitoramarine | 2017-12-08 00:12 | おでかけ | Comments(0)