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アラフォーのわたしと夫と猫2匹の暮らしに、男児が一人加わりました(2016年11月)。おいしいもの、猫、本、アートと子育て日記。


by umi
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おばあちゃんのこと (追記あり)

先週、数年ぶりに故郷に帰っていました。
おばあちゃんに会って、曽孫であるハム太を見せるためです。

おばあちゃんは認知症で、ここ数年は施設で暮らしています。
先日、久しぶりに電話をしてみたら、なんだかストンと人格が抜けてしまったような話し方で、認知症が進んでいるのがわかりました。昔は電話に出るたび必ず「Umiちゃんね」と名前を呼んでくれたのにそれもなく、会話の中でもいろんな時を彷徨っているのがわかって。でも、顔を見たらきっと思い出してくれると思って会いに行ったのです。

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わたしとハム太に会ったおばあちゃんの反応は、でも、期待していたようなものではなくて、「孫のUmiよ、わかる?」と声をかけたわたしに微笑みながら「わかりません」と言いました。正直なところ、ガッカリしたけれど、予想できることでもあったので落ち込みはせず、反応の薄いおばあちゃんに一方的に話しかけながら、1時間ほど一緒に過ごしました。

ハム太のことを曽孫と説明したけれど、「そうですか」との答えにはあまり届いている感はなく、それでも小さな子は単純に可愛いのか、おばあちゃんは何度も何度も、何十回も、ハム太に向かって「お利口ね」と呟いていました。とても暑い日だったのだけど、シャツからはみ出たハム太のお腹を見て「風邪引くよ」と心配してくれたりもして。ハム太は、おばあちゃんを怖がることもなく、ニコっと微笑みさえしたのを見ると、どこかで通じるものがあるのかもと思えました。

その夜、夢を見ました。
夢の中で、昼間と同じように、施設の部屋でおばあちゃんを前に座っているのです。
おばあちゃんは昼間会ったときと同じ服装で、同じように車椅子に座っています。
そして「Umiちゃん、ごめんね」と謝るのです。
名前を呼んでくれたからではないけれど、夢の中のおばあちゃんは認知症ではないことはなぜかはっきりわかります。おばあちゃんは、現実の自分が認知症で、わざわざ会いに来たわたしを認識してあげられないことを謝っているのでした。
「大丈夫よ」というわたし。「この後**に行くんでしょ?」と話を続けるおばあちゃん。
短い夢でした。
今思うと、夢の中でも、これは現実ではないということがよくわかっていました。
でも、おばあちゃんにわかってもらえなかったガッカリを埋めるためのただの夢ではなくて、眠っている(または乖離している)おばあちゃんの意識に会った気がしたの。

認知症は大雑把に言えばいろんなことを忘れてしまう病気と思われているけれど、忘れてしまったものが無くなってしまうということではなくて、おばあちゃんの記憶や意識はバラバラだけどまだちゃんとあるみたい。

そして、うまく対応できない自分というのをどこか遠くから見ている、もう一人のおばあちゃんがいるのだという気がしたのでした。

思い出してもらえなかったけど、わたしやハム太と会ったこともきっともう記憶の彼方に流れて行っちゃったと思うけど、おばあちゃんに会えてよかったです。きっとどこか深いところでは、わかってくれていると思うのです。


(追記)
聞いたところによると、おばあちゃんは、わたし達が帰った翌日、何度も「東京へ行かなくちゃ」と言っていたそうです。
おばあちゃんと会ったとき、施設の方と「遠くから会いに来たんでしょ?」「東京です」って会話があって、そのとき「トウキョウ」と呟いたおばあちゃん。
わたしが来たことはもう忘れていて、でも、東京になにかある、という印象が強く残ったみたい。
わたしの知る限り、おばあちゃんはこれまで、東京へ来たことも、多分飛行機に乗ったこともありません。
でも「東京へ行かなきゃ」って……。
この話を聞いて、ちょっぴり、泣きました。




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Commented by YUE at 2018-04-18 00:42 x
おばあちゃんに会いに行ってこられたんですね。
やさしいおばあちゃん、きっとumiちゃんのことは、幼いころや、小学校、中学校のumiちゃんのままで鮮明に覚えているんじゃないかな・・・と思います。
本当に、心のどこかで固くつながっているんだと思います。

私のおばあちゃんも今は施設に入ってるんだけど、お正月に写した私の両親と私たちの集合写真を送ったら、個人の名前は言えないけれど、写真を見て「これは大切な人たち」と言ったそうです。
うれしかったです。

おばあちゃんがいなかったら、今の私もいないものね。
大事な大事なつながりですよね。

ハムちゃんを見てもらえてよかった~。
Commented by umitoramarine at 2018-04-18 23:15
*YUEさん

YUEさんのおばあちゃんも施設にいらっしゃるんですね。記憶が曖昧になっても、どこかで繋がっていると感じられると嬉しいですね。

小さい子によくあることだと思うんですが、ハム太は高齢の方をちょっと怖がることがあるんです。
可愛い可愛いと近づいてくださる方にも、泣いちゃったりするんです。
おばあちゃんは、多分、今まで出会った中で一番高齢者だし、怖がるかな?と思ったのですが、ニコっとして、慣れてからはおばあちゃんの膝を使って伝い歩きをしたりして、小さな手に触れられておばあちゃんは嬉しそうでした。おばあちゃんがいなかったら、ハム太もいないんですもんね。意識にはなくても、深いところのつながりを、みんなどこかで感じるのかもしれませんね。


Commented by papricagigi at 2018-04-21 04:05
umiさん、こんにちわ♪
おばあちゃん、元気そうなumiさんの顔を見て、初めてのかわいらしいハム太くんに訪ねてもらえて、心から喜ばれたのでしょうね。umiさんのこのお話、何度も読み直してしまった。なんだかとてもじーんとして。私たちの体はここに存在する一つだけだけで、記憶が宿っている脳も一つだけなのだけれど、その境界を超えた意識の世界って、きっと時空を越えて広がってつながっているんだろうなぁ、って思った。 認知症がでると、私たちが正常だと思っている回路が上手く機能しなくなって、その姿にもどかしさと寂しさを感じてしまうけれど、おばあちゃんはとっても喜ばれていたのだろうなぁって。 会いに行けて良かったね☆
Commented by YUE at 2018-04-22 00:46 x
umiちゃん、こんばんわ。こっちにレスです。
あわわ・・・・思わず書いちゃったわ。
どうも、umiちゃんの前では素直な気持ちになっちゃうからかな(笑)
そうなんです、動物病院へ行くと、「ちくわちゃん、どうぞ」って呼ばれます。かわいいでしょ。
諸事情がありまして、ブログではこれからもちーさんと書きますが、umiちゃん、心の中で「ちくわちゃん」に変換してくださいませ(笑)
Commented by umitoramarine at 2018-04-22 19:03
*papricaさん

何度も読んでくれてありがとう!
訳あってしばらく故郷へ帰っていなかったけど、おばあちゃんのことはずっと気になっていて、わたしも会えてすごく嬉しかったです。わたしが結婚する前から、おばあちゃんは「曽孫が見たい」とよく言っててたの。数年前に年下のいとこたちが結婚して、先に曽孫ができたんだけど「曽孫できてよかったね」と言ったら、口にはしないけど「そうじゃない」と言いたげで。見たかったのは、わたしの子どもだったみたい。せっかく会ったのに反応が鈍かったのは残念だったけど、夢と後日談のおかげで、おばあちゃんのはっきりした意識はどこか別のところにあって、ちゃんとわかってくれてるって思えてよかったです。ユングも、私たちはみんな無意識レベルで繋がっていると言ってるものね。ちょくちょくは会いに行けないけど、いつもおばあちゃんのことを思っているし、どこかでそれを知ってくれているといいなと思います。
Commented by umitoramarine at 2018-04-22 19:17
*YUEさん

なんだか嬉しいコメントを・・・^^ それはわたしも一緒ですよ!
そして、10年目にしてちーさんの本名を知れたのも嬉しい。
「ちーさん」って何かの略なのかな?って思ったこともあったのですが、まさかの・・・でした。
驚きつつも、納得・・・。笑

by umitoramarine | 2018-04-14 23:16 | つぶやき | Comments(6)