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三浦春馬さんのこと と ひさしぶりに夢中で読んだ本のこと


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少しご無沙汰してしまいました。

先日、そろそろブログを書こうかなと思っていた頃に、三浦春馬さんのニュースを知ってしまいました。
大ファンという訳ではなかったけれど、今度のドラマは三浦春馬さんが出ているから観ようと思っていたくらいには好きでした。どの番組だったか忘れてしまったけれど、歌番組でKinky Bootsの一場面を披露しているのを観たときには、ハイヒールを履いてドラァグクィーンに扮しての見事なダンスと歌声に心を奪われて、絶対に舞台を観たいと思っていたのに。全てが順風満帆に見えた彼が突然、死を選ぶなんて。本当にショックでした。

それ以来、気がつくと、スマホのニュースで三浦春馬さんの記事ばかり読んでしまっている。彼が亡くなった本当の理由なんて誰にもわかるわけがないとわかっているのに、少しでも新たな情報を知りたくて。スマホを見ていないときでも、気がつくと、春馬さんのことを考えてしまっている。ネットで得た情報から、「こんな気持ちだったんじゃないか」「忙しすぎたんじゃないか」などなど。

わたしのような人は多いんだと思います。精神科医の海原純子さんが、このことに触れて記事を書いていらっしゃいました。「自死した人の気持ちや状況を想像し、自分のことであるような思いに陥る状態をネガティブな同一化と呼ぶ」そうです。

そうです。三浦春馬さんのことを考えているつもりでも、結局、本当に考えているのは自分のこと。
過労だったとか、SNSの誹謗中傷に疲れたとか、家族と問題があったとか、自分とはかけ離れた人のはずなのに、みんな、何か自分と共通する悩みを見つけてしまう。そして、同時に、自分の悩みや辛かったことも思い出してしまう。実際、わたしにも「きっとこういうことだったのでは」と思えることがあったのですが、友人から来たメールには「こういうことだったんじゃないかと思う」と、わたしのとは全く違う『理由』が書いてありました。客観的に見ればとてもわかりやすい。あなたが思いつく理由は、あなたの理由。わたしが考えたことは、わたしの理由。三浦春馬さんの真実は、彼にしかわからない。

そう思いつつも、やっぱり、ついついネットの記事を読んでしまう自分がいるんだけどね・・・でも、本当に酷いことが書いてあります。マスコミなのに、噂レベルのことばかり。特に、一番辛い思いをしているはずの、遺された親族を傷つけるような記事は赦しがたいです。日本のマスコミは、事実ベースで裏付けの取れたことだけを書くという(ニュースに推量や憶測は不要、というより、書いてはいけない)、ジャーナリズムの基本を知ってほしいと思います。


ネットニュースを見てしまうのを避けるために、ここ数日、読書に耽っていました。
たまたま、先日本屋で見かけて購入したこの本が、わたしを別世界に連れて行ってくれていました。
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昨年、アメリカで一番売れた本だそうです。1950〜60年代のノースカロライナが舞台の、幼くして、湿地で一人生きる少女の話。分類上はミステリーに入るのだと思うけど、単なるミステリーとは決して呼べない本です。今現在にも繋がる、当時のアメリカ南部の状況。少女が一人で生きることになった理由は、地域を超えて普遍的な問題かもしれません。何より、素晴らしいのは、生命が蠢く湿地の描写。湿地になんて行ったことはないけれど、ボートの目線から草をかき分けて進む様子が眼に浮かぶよう。作者は、動物行動学者なのだそうで、実際に、このような場所でたくさんの時間を過ごしたのだろうなと思います。ミステリーの筆致も見事で、先が気になって本を置くのが辛くて辛くて。いつも何かしら読みかけの本を持っているわたしだけど、こんなに引きつけてくれる本には久しぶりに出会いました。

いつ空けるともしれない梅雨空の下、外に出かけられない方は、たまにはテレビやネットから離れて、本の世界に入ってみるのも良いかもしれません。


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by umitoramarine | 2020-07-24 00:34 | 本のこと | Comments(0)

アラフォーのわたしと夫と猫2匹の暮らしに、男児が一人加わりました(2016年11月)。おいしいもの、猫、本、アートと子育て日記。


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