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アラフォーのわたしと夫と猫2匹の暮らしに、男児が一人加わりました(2016年11月)。おいしいもの、猫、本、アートと子育て日記。


by umi
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カテゴリ:映画のこと( 1 )

是枝裕和監督の「万引き家族」がカンヌ映画祭のパルムドール賞を受賞しましたね。
おめでとうございます。

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タイムリーに、是枝監督の「海よりもまだ深く」を借りてあったのを、やっと観ました。
阿部寛さん演じるダメ男が、離婚した妻と息子を取り戻すべく奮闘?するお話です。
そのやり方が、「だからダメなのよ」と言いたくなるような……わたし自身、誰かを「ダメ人間」であると断じることができるほどの人間なのかと問われれば、とても胸を張れたものではないですが、困った人には自身をそこに陥れるだけの思考回路というものがあるなあと思います。

誰しも、何から逃げても自分自身から逃れることはできません。
困った思考回路を持つ人間に、奇跡のような救いはないのです。
たとえ、宝くじに当たるとか、奇跡の出会いが起こったとしても、困った人というのはそういう機会を上手に使うこともできないのよね。その人なだけに。

阿部さん演じるお父さんには、そんな奇跡が訪れることもなく「まあそうなるよね」というような現実的なエンディングを迎えるわけです。

そんな現実、決して「毎日幸せで笑いが止まらない」とは言えないような現実を、ほとんどの人は生きているのではないかと思いますが、その中に、浜辺の黒っぽい砂の中に時々「チラリ」と光る何かがあるのです。そのチラリは、それでさえ、砂金とか価値あるものでもないのだけれど、チラリと光るとちょっとだけ嬉しくなるような、何か。そういうのを含めて現実を描いてある映画だなあと思いました。

是枝監督の映画は、これを含めて3本しか観たことないのですが、ヨーロッパで評価されるのはわかる気がします。ヨーロッパの映画って、奇跡も事件もあまり起こらないものね。笑



そしてもう1本。一緒に借りていた映画。
こちらは古く、日本では2005年に公開された映画です。
映画冒頭の「一羽の蝶の羽ばたきが、地球の裏側で竜巻を起こすことがある」というカオス理論の引用が気になって、当時観たいと思っていたのに、なぜだか今まで観ていなかったのです。


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日本式に言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」なので、もうちょっと現実的な話かと思っていましたが、なんというか、ファンタジー(と言うには暗いかな)? 
現実を変えるべく、過去のある点に戻って違う行動を取ったら、想像だにしないところまでその結果が及び・・・みたいな話でした。

暗いという点は共通していますが、上の「海よりもまだ深く」とは対極にあるストーリー展開です。何しろ本当に現実を変えてしまうのだから。でも、奇跡が起こったってやっぱりそう上手くはいかないのです。

過去と言えば、不惑に達した今でも、昔のことを振り返って、「どうしてあのとき」と考えてしまうことがあります。今の現実が嫌だからではありません。本当に小さいこと。「どうしてあのとき」に続くのは「あんなこと言っちゃったんだろう」とか、「ちゃんと言い返さなかったんだろう」とか、相手はきっと覚えていないようなこと。大人になったらこんなこと無くなるかと思ってたけど、わたしの「どうしてあのとき」は30代を振り返っても多々あるのです。まあでも、こんな風に感じるのは、あれから自分が成長したからだよね、と、ひとしきり頭を抱えたあとは、そう思って自分を慰めるようにしています。笑

「あのとき」に戻れたらこうしたいと思うことはあるけれど、そうしてしまったら、今の自分はいないのだろうなと思うし。身を置く環境だけでなく、自分自身が違う人になってしまったら、それこそ、自分自身から逃れた、ことになってしまう。それでは生きる意味はないのです、多分。

そう言えば、「バタフライ・エフェクト」ですが、過去を変えたことによって違う人生を生きた主人公及び周囲の人が何パターンか出てくるのですが、同じ人がこうも変われるのだなあと思わせる演技とメイクが秀逸で面白いですよ。人生に疲れ果ててボロボロの主人公の幼馴染の女性が、あまりに美しく変身するのを見て、「もしかしたら自分も」と思ってしまった(笑)。もちろんあちらは美しい方が本当の姿ですが! 


というわけで、現実への対応が正反対の2本ですが、どちらも面白かったです。





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by umitoramarine | 2018-05-22 23:13 | 映画のこと | Comments(0)