人気ブログランキング | 話題のタグを見る

布マスクを作る。


布マスクを作る。_f0370142_23351345.jpeg

コロナ騒動の最中でも、春はやってくる。
日差しはポカポカ、気持ち良い。
しかし、気候が変わってもコロナは沈静化しないらしいのが残念。

東京の街は一見、以前と何も変わりないように見える。
3月頭の、休校要請後、一瞬だけ街が静かになったように見えたけれど、今は人通りも多い。
でも、水面下では、感染者数は増えてきているんだろう。
ニュースでは、今日の感染者数は昨日の97人を下回って84人だったけれど、信じられるわけがない。

相変わらずマスクも売っていないので、マスクを作った。
表側の布は手ぬぐい、内側に2重ガーゼのハンカチを使ったよ。
追記だけど、ゴムは白いタイツを切って使ってます。
1センチくらいの輪切りにして、ビヨビヨと何回か引っ張ると、少し伸びた状態で安定するのでそのまま縫い込んでます。
使い心地、悪くないですよ。

布マスクを作る。_f0370142_23361061.jpeg

布マスクを作る。_f0370142_23362793.jpeg
布マスクに関しては、WHOは「いかなる場合も、しないほうがマシ」と言っている。
(安倍政権は、その布マスクを、一世帯あたり2枚配ろうとしているが・・・)

不織布のマスクと比べて目が荒いのと、不衛生になりがちということ。
でもわたしは、マスク不足になってから、ずっと2枚の布マスクを使っている。
基本的に、不織布であっても布であっても、エアロゾル感染を予防する効果は薄いと思った上で、それでも手で口元を触るのは防げると思っているので(わたしは、ついつい口元を触る癖があるので)。

家にはマスクがまだあるけど(夫が以前に買っていた箱があった)、いつかは無くなるし、夫は布マスクなんて使わないので、わたしが節約しているわけです。

毎日、洗濯して、綺麗なのを交互に使ってます。
これを作って1枚増えたから、「洗い忘れたから紙のを使おう!」ってことがなくなるな〜。
ちなみに、使い捨てのマスクも、アルコールスプレーか、漬けおき除菌して2〜3回は使ってます。

このマスク、だいたい20分くらいでできるらしいんだけど(慣れたらもっと早いと思う)、わたしは1時間くらいかかった! というのは、わたしは10年くらい前に買ったミシンを持っているんだけど、そのミシンと相性が悪く、使おうとするたびにトラブルが起きるのだ。原因は、わたしがそのミシンをよく理解していないせいだと思うんだけどね。だから、この10年で数える程しか使ってない・・・。だから、これを機にミシンと仲良くなろうと、説明書をなんども確認しながら、モタモタやってます。

あと何枚か作って、うまく作れるようになったら、マスクが買えなくて困ってるおばさま達にプレゼントしたいな。
それから、知らない人でも、マスクがなくて困ってる人がいたら差し上げたいなぁ。
先日見かけたおばあちゃんは、明らかに子供用の小さなマスクをつけていた。
そういう方に、あげられるといいなと思う。
これを機に、がんばってミシンと仲良くなりたい。


フードロス対策もがんばってます〜。
いや別に、がんばることじゃないのかもしれないけど、この自粛の日々に、ちょっとだけ目標みたいなのがあると、モチベーションが上がるよね。これまでも、同じようなことはしてきたと思うんだけど、ご飯作るたびに「よし、今日のフードロス対策は」なんて一人作戦会議をしていると、ちょっぴり楽しいんだ。

あまり使わないので残りがちな胡麻ペーストを使って、坦々麺を作ったよ。
陳健太郎さんのレシピ、簡単なのに本格派の、すごく美味しいのができる。
せっかく胡麻ペーストを消費したのに、これを作るためにまた胡麻ペーストを買いたくなってしまった(笑)。
ラー油は、石垣島のラー油を使うとすごく合います!


布マスクを作る。_f0370142_23364726.jpeg
美味しかった〜。


# by umitoramarine | 2020-04-04 00:09 | つぶやき | Comments(0)

本日の東京



本日の東京_f0370142_22524136.jpeg
なんと、コロナウイルスによる肺炎で、志村けんさんが亡くなった。
もちろん知り合いではないが、小さな頃から親しんで来た顔が、今みんなが闘っているウイルスによってなくなるというのはショックである。

けんさんは、コロナウイルスへの警鐘を鳴らすという役目を負っていたのかもしれない、なんて考えてしまう。
それは、都合の良い考え方だけど、もしそうでなかったとしても、けんさんの死をもっと意味あるものにしてほしい。
知らない誰か、数字だけで知る死者数ではなく、こんな風に、知った顔がなくなるかもしれないということ。
「だって自分は若いし」「風邪くらいで済むでしょ」なんて考えている人は、自分が軽症であっても誰かを死に至らしめるかもしれないことを考えてほしい。

けんさんの犬達は、どうなるんだろうなぁ。
犬の心配をしている場合ではない、と思う人もいるかもしれないけど、ペットを飼っている人には大問題だと思う。
現時点では、軽症であっても完全隔離されるから、もし我が家で夫とわたしが感染したら、その間誰が息子と猫の世話をしてくれるのか。息子は人間だから、さすがに放置されることはないだろうけれど、ウイルスがいる部屋に猫の世話をしに来てくれなんて誰にも頼めないよ・・・。

そして、こんな中で、なぜかジムから営業再開の連絡が来た。
4月1日から、短縮営業だけど再開するのだそう。なぜ今・・・と思うのはわたしだけ?

わたしがジムで一番楽しみにしているのはホットヨガのクラス。
先日、そのクラスの先生が、オンラインでレッスンをしてくれてすごく嬉しかった。
クラスがあるなら、正直、行きたくなってしまう。でも、家族のことを考えると、とても行けないよ・・・。
ジムのヨガマットを使って、汗をダラダラかいて、目に入りそうな汗をぬぐいながらやるんだよ。
ホットヨガでのクラスター感染が何例もあるのに、なぜ再開してしまうのか。
みんな、このクラスが好きだから、再開されたら出たくなってしまうと思う。
それでも、出るか出ないかは個人の決断だからまだ良いとして、先生は営業再開するのに「やりません」とは言えないよね。
それがかわいそう。
本当に、やめてあげてほしい。

ジムが開いたら、行きたくならないように、とりあえず休会手続きをしに行こう・・・。



さて、今日もジムに行く代わりに、腕立て、腹筋、スクワットを20回ずつ、プランクと逆さプランクをやってから、夕飯の買い物しがてらウォーキングに行った。

通りかかった公園のお花。今みたいなときは、お花のきれいさが心にしみる。

本日の東京_f0370142_22530044.jpeg
そういえば、今日、決めたこと。
「エスカレーターに乗るときは腕を組む」!

わたしがよく行くスーパーにはエスカレーターがあって、いつもつい、乗ったときに手すりのベルトを触っちゃう。触ってから「あっ」て思うの繰り返しで。今日、「腕を組むルールにすればいいんだ」って気づいた。

食料の買い出しには、行かざるを得ないから、気をつけてできることはやって行こうと思う。


# by umitoramarine | 2020-03-30 23:54 | つぶやき | Comments(0)

雪に桜 自粛の週末

前日の予報通り、朝起きたら窓の外は、ぼたん雪がふわふわと降っていた。
写真にはうまく撮れなかったけれど。


雪に桜 自粛の週末_f0370142_22522430.jpeg


今日は本当は猫ボラの日で、いつも出かける14時頃には雪も止みそうだったので行くつもりでいたら、
おばさま達から「絶対来ないで」と電話があった。

「おばさま」って書いてるけど、実は75歳以上の高齢者なのだ。
そんな人たちを雪の日に外に出すわけに行かないので、押し問答になったのだけれど、口では敵わなくて結局、おばさま達がえさやりをしてくれることになった(うちからは自転車でも電車でも30分はかかるけれど、おばさま達は近隣であるのもあって)。

その代わりというわけではないんだけれど、買い物に行くことにした。昨日、小さなスーパーマーケットで消毒用のアルコールスプレーが売ってるのを見つけて(コロナ騒動が起きてから初めて見た)、個数制限があったので1つだけ買ったんだけど、3人のおばさま達にあげたいので、まだ残っているかどうか、見に行きたかったのだ。

おばさま達は、ほぼ毎日猫の世話で歩き回っているだけあって(1日に5kmは歩いているらしい)、とても元気なのだけど、やはり高齢者なので、もしコロナに感染したらと考えるととてもこわい。先週会ったとき、「明日、ハム太くんと遊びに来たら」と誘ってくれたんだけど、「今はやめときましょう」と断った。そしたら、なんと、わたしがハム太の心配をしていると思ったらしい。もちろんハム太だって心配だけど、やっぱり一番心配なのは高齢者だ。

「ハム太は元気だけど、保育園にも行っているし、無症状なだけで感染している可能性はある。万が一でもうつす可能性があるから」と言ったら「ああ、心配してくれたのね〜」と笑ってた。多分、おばさま達は、自分が「高齢者」に入ると思ってないんだろう……。「まだ80になってないし、死なないよ」と続けていた。その意気で、死なないでほしいけど、そのためには対策しないとね。


雪に桜 自粛の週末_f0370142_21453796.jpeg

スーパーに行くために外に出たら、雪が積もってた。
去年だっけ、一昨年だっけ。
わからなくなっちゃったけど、桜に降る雪を見るのは初めてじゃない。
もう、珍しいことではなくなっていくんじゃないだろうか。
でも、さすがに積雪までするとは思わなかったなぁ。

俳句や短歌の世界で、「花」と「雪」を一緒にうたうのは、二つの異なる季節の季語を同時に使うことだから減点なんだけど、今後はどうなっていくんだろう?なんて考えた。

家からスーパーまでは1.7kmくらい。
雪のせいもあって、道を歩いている人は少なかったけれど、通りすがりのカフェには、中にたくさん人がいた。
昨日はお花見に繰り出した人も少なからずいたみたいだし。
わたしものんきものだけど、みんなもっと危機感持とうよーと言いたくなる。
海外のニュースとか見ないのかな?
この状況に数歩先んじている国のニュースを見てもまだ、「自分は大丈夫」と思ってしまうんだろうか・・・。

うちは、来週から、ハム太の保育園は当面お休みすることにした。
ハム太は保育園が好きだし、階下の方からハム太の足音がうるさいと指摘があったのもあって、迷いつつも行かせていたのだけれど、この状況ではストレスだのなんだのと言っていられなくなってきた。

みなさーん、お願いだから、みんなで距離を保って、感染者数を増やさないようにしましょうよー。

でも、日本のニュースではあまりSocial Distanceについて言っていない気がする。
だからみんな行列するし、信号待ちをしていたら、混んでいるわけでもないのに、大声でおしゃべりしながら真後ろに立つ人もいる・・・。


雪に桜 自粛の週末_f0370142_21455786.jpeg
スーパーで、アルコールスプレーは無事に買えた。
一緒にもやしも買って来て、夕飯は、冷凍庫にあったモツと軟骨入りのつみれとキノコと、先日2束でとても安かったニラとキャベツで塩味のもつ鍋を作った。寒い日にぴったりで、とても美味しかった。

一昨日も書いたけど、「フードロスに取り組む」というのが、自粛の日々の中でのわたしのささやかな楽しみ。
あるもので何を作れるか、結構真剣に考えている。

明日は何を食べようかなぁ〜(結局は食欲)。





# by umitoramarine | 2020-03-29 22:48 | つぶやき | Comments(0)

コロナ騒動真っ只中の東京より

今日の東京は、風が強いけれど、空は晴れて暖かく、春らしい日和でした。
みなさん、いかがお過ごしですか?

わたしは家族は、今のところ変わりなく元気に過ごしています。

コロナ騒動真っ只中の東京より_f0370142_16564996.jpeg
東京は、一昨日の夜、小池都知事から週末自粛の呼びかけがあり、3月2日の休校要請後の悪夢が再来しております。
いわゆる、買いだめ、買い占めで、スーパーの棚がガラガラ。

うちは、こうなることを予期して、休校要請後のパニックが落ち着いたあと、少しずつ備蓄を増やしていたので、今回はあまり慌てずに済んでます。ネットで、食品の生産や流通に携わる人が、「食べ物はたくさんあるし、流通も問題ないからパニックにならないで」と呼びかけているけれど、うちの近隣は未だにトイレットペーパー不足も解消されてないの。国内にあっても手に入らなければ仕方ないものね。品物不足を助長する買いだめはしたくないけど、いつ手に入るかわからないのでは困る・・・。みんな同じ気持ちだと思いますが。

わたしは元々、あまり備蓄をしたくないタイプで、トイレットペーパーも「あと1〜2個」ってときに買う方です。近所にドラッグストアがあるから普段はそれで十分。でもそれで、東日本大震災のときは、焦ったのよね。あの時も、ちょうど残り2個くらいで、気づいたら店頭から消えていて。当時は、別のブログをやっていて、そのことを書いたら、遠くに住んでいるブログのお友達が送ってくれて本当に助かったんでした。届くまでは、できるだけ会社や最寄駅のショッピングセンターでトイレに寄ってから帰宅していたよ。

今回は、第一陣がくる数週間前に、海外に住んでいる夫の家族から「トイレットペーパーがなくなるから備蓄しろ」って連絡がきてたんです。当時、香港や台湾で同じことが起こっていて。でもわたしは「日本の紙製品はほぼ日本製だよ〜? 無くなったりしないよ」とのんきに構えてたの。夫がそれでも「多めに買っておきたい」と言うので、それで気が済むなら好きにしたら、くらいの気持ちでいたら、休校要請の次の日にドラッグストアの店頭から、トイレットペーパーだけじゃなくて、全ての紙製品が消えたんです。ティッシュも、キッチンペーパーも、ナプキンも、オムツも! そう〜。息子はまだオムツ外れてなくて、わたしはオムツも、あと数枚になってから買うタイプ。だってかさばるから。でもこの時、夫はトイレットペーパーだけじゃなく、ティッシュ、オムツも予備を買っておいてくれたので、本当に助かりました。

一人暮らしなら、トイレを借りに駅前のショッピングセンターへ行くことも可能だろうけど、家族がいては逆にそうも行かないこともあるものね。

食料に関しては、わたしは元々備蓄している方です。インスタント食品はあまり食べないんだけど、いつかのために買っておくと、夫が食べてしまう(そして、買い足さない)。なので、夫が見ない方の棚に、インスタントラーメンを隠しておいてます。パスタは、夕食に困ったときに短時間で適当に作れるので(そして、夫が麺類大好きなので)、いつもいくつか置いてる。ハム太がとても偏食で、しかも気分が急に変わるので(気に入らないと、お腹が空いても食べません)、普段から食べそうなものをストックしています。

だから今回、備蓄を買い足そうにも、そもそも棚も冷蔵庫もいっぱいでした。整理をしようと見てみたら、忘れていたものもいっぱい。備蓄をするより、まずはこれらを消費する方が先ですね。

今日のランチは、冷凍庫で眠ってたクリームスピナッチと、ハム太が残したチキンのクリーム煮を合わせて〜。

コロナ騒動真っ只中の東京より_f0370142_16570842.jpeg
パスタに! 
とっても美味しかった🎶

コロナ騒動真っ只中の東京より_f0370142_16572599.jpeg
デザートに、使い残していた小豆と黒糖で作った沖縄風ぜんざい。
見えないけど、大麦も入ってるの。これも沖縄風。
美味しいー。

コロナ騒動真っ只中の東京より_f0370142_16574187.jpeg

ある程度は仕方ないと思うんだけど、ハム太が生まれてから、フードロスの増えてしまった我が家。
これを機に、食品をもっと大切に、有効に、美味しく食べるようにしたいなと思います。















# by umitoramarine | 2020-03-27 23:43 | つぶやき | Comments(0)

黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで

以前にもご紹介した、黒坂麻衣さんの個展が、日本橋のギャラリーYUKI-SISにて開催中です(3/7まで)。

実は、麻衣さんは昨年2019年の5月に急逝されました。
当時、そのご報告と共に、麻衣さんとの思い出をブログに書こうとしましたが、どうしても書けませんでした。
今回も、1人でも多くの人に展示に足を運んでもらえるよう、早めに書きたかったけれど、どこからどこまで書いて良いのか、わたしに何が言えるのか、そんなことを考えていると難しく、今になってしまいました。

黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで_f0370142_11452242.jpeg
麻衣さんとわたしは、2年半ほどの短いお付き合いでした。
以前にブログでご紹介した、2017年の個展が初めての出会い。
彼女の作品に惚れ込んでしまったわたしは、それ以来、いつも一番乗りで彼女の展示に駆けつけていました。
それを喜んでくれていたようで、麻衣さんも展示が始まる前日には「明日、何時頃いらっしゃいますか?」と連絡をくれて、合わせて在廊してくれていました。

黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで_f0370142_11455878.jpeg
麻衣さんの絵は、なんとも言えない魅力があって、その魅力はどこから来るのだろうと考えていると、いつまでも眺め続けてしまいます。

可愛い動物や美味しそうな食べ物、きれいな風景を描いた、「感じの良い」絵なら、他にもたくさんの人が描いている。
淡い色使いもまた、多くの人に愛されやすいのだろう。

でも、それだけではない。
これはやっぱり、麻衣さんにしか描けない。
そういうものが確かにある。

実は、麻衣さんの絵は、近くで見ると、ところどころ荒っぽいところがある。
わたしのような、絵画の超初心者には「これでいいの?」と驚いてしまうほど。
荒っぽさも、麻衣さんの絵を作り上げる要素の一つなのかもしれない。
それにしても、この荒っぽいタッチから、どうしたらこの世界が生まれるのか。
そんなことを考えながら、絵に近づいてみたり、遠くから眺めてみたりするうちに時間が過ぎる。

今回の展示のオープニングには、麻衣さんと関わりのあった人達が集まりました。
ご家族も一家でお見えになっていました。
ご家族からお言葉をいただいたあと、何人かの人が披露した麻衣さんの思い出話には、「麻衣さんにびっくりさせられた話」がいくつか飛び出しました。

麻衣さんは、前にも書いたように、本当にきれいで、儚げで、繊細そうな人で……、そして、その見た目からは想像できないけれど、ちょっと「がさつ」なところがあった。短いお付き合いの中で、わたしもびっくりしたことはいくつもあります。ここには書かないけれど。

でも、それが麻衣さんだった。それも含めて、素敵な人だった。
本人にとっては、意図せぬことで、それを気にしてもいたと、ご家族から伺った。

がさつさと繊細さの同居。

麻衣さんの絵は、麻衣さんそのものだったのだろうと思う。
本人と作品の間に距離がない。嘘もごまかしもない。
それが、麻衣さんの絵の魅力なのだろうと、わたしは思っている。

器用な人なら、同じものをもっとうまくも描けるだろう。
だけど、小手先だけで描かれた絵に、人の心を動かすことはできない。
麻衣さんは絵の中に、自分をさらけ出していた。
だからこそ「感じの良い絵」では終わらないのだ。

黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで_f0370142_11462933.jpeg
麻衣さんが亡くなったあと、自室の掃除をした際に、麻衣さんから頂いた手紙や葉書を集めてみた。
たった2年半の間に、思ったよりたくさんの郵便をいただいていた。
不器用な筆致で書かれた、心のこもった手紙たち。

わたしは麻衣さんの作品だけじゃなく、麻衣さんのことも好きだった。
そんなによく知らないけれど、物事を深く考える性質で、古い映画をたくさんみたり、名著をたくさん読んでいた。
どうしたらもっと良い絵が描けるのか、そして、自分に何ができるのか、そんなことを考えている人だった。

もっと親しくなりたかったけれど、知り合った頃のわたしは、子どもが生まれたばかりで忙しかった。
それに、わたしは人との距離を急に詰めるのが(詰められるのも)苦手で、麻衣さんも同じなのではないかと勝手に思っていた。
なので、時間をかけて、仲良くなりたい。そう思っていた。

その日が訪れることはもうないけれど、麻衣さんと出会えたこと、とても幸せに思っている。


黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで_f0370142_11465736.jpeg

これから麻衣さんの絵に出会う人が、麻衣さんご本人と会うことはもうない。
でも、やっぱり麻衣さんの絵を見てみて欲しいと思う。
きっと麻衣さんを感じるから。
麻衣さんが、生きて、感じて、考えて、見ていたことが、きっと絵から感じられるし、
そうすれば、多くの人がやっぱり、「黒坂麻衣と出会えてよかった」と、感じるのではないかと思う。


黒坂麻衣さん個展 「彼女の見ていた風景」3/7まで_f0370142_11472318.jpeg



ありがとう、麻衣さん。



# by umitoramarine | 2020-03-03 11:44 | アート | Comments(0)

アラフォーのわたしと夫と猫2匹の暮らしに、男児が一人加わりました(2016年11月)。おいしいもの、猫、本、アートと子育て日記。


by umi